奈津子(なつこ)
女優・タレント、家電製品総合アドバイザーエグゼクティブ等級、スマートマスター
今回スマートマスターの資格を取る上でさまざまな勉強をしましたが、そこで得た一つの結論は、できるだけエネルギーを使わない“省エネ”も大事だけど、自分たちでエネルギーを創り出す“創エネ”も重要だということです。
特に震災以降、エネルギー問題については日本中でさまざまな議論がされていますが、やはり限られた資源を有効に使うことと、資源の少ない日本でも、独自のエネルギーを創り出すことが大事だと思います。エネルギーは、私たちの日々の暮らしに直接結びつく問題なので、エネルギーを創ることに関して、みんながもっと興味を持ってほしいと思います。
私はテレビ番組のロケで、さまざまな地方に行くことが多いのですが、地方に行けば行くほど、太陽光パネルの多いことに驚かされます。もしかしたら、都心で暮らす私たちより、地方で暮らす方々の方が意識が高いのかも…なんて思ってしまいます。
私たちの世代って、学校の授業で「環境問題」についてけっこう習っていたんです。「3R運動(=リデュース+リユース+リサイクル)」とかも教えてもらっていたんですが、こういう仕事をするようになって、改めてその大切さを実感しました。最近はフリマアプリなどが流行って、リサイクルが身近になってきたことは良い流れだと思いますね。
家電に関していうと、さっきも話に出た調理家電を活用することもエコに繋がるのですが、もっと効果的なのは、古い家電を最新のモノに買い替えることです。故障もしていない、まだ使える家電を買い替えるのは少し勇気のいることですが、冷蔵庫やエアコンなどは、一昔前のモノより画期的に機能が向上しているので、最新の機種に変えるだけでかなりエコに貢献できると思います。
もちろんイニシャルコストは掛かってしまいますが、節約できる電気代などのランニングコストを考えると、結果的にプラスになるのではないでしょうか。
実はこの勉強を始めて一番びっくりしたのが、日本ってこんなにエネルギーを輸入に頼っているんだという現実を知ったことです。東日本大震災の時に、世の中は節電ムードになって、私たちのグループが活動していたステージでも、できるだけ節電することになりました。それまでは当たり前のように舞台が動き、煌びやかな照明がたかれるステージでパフォーマンスをしていたんですが、あの時期は極力電気を使わないシンプルな照明や演出になりました。
あって当たり前だと思っていたものが、実は限られた資源の上に成り立っていたということをダイレクトに感じて、逆にエネルギーの大切さを思い知ることができましたね。でもまさかこんなにエネルギーの自給率が少ないとは…今回の資格を取るために勉強するまで知らなかったので、正直衝撃でした。
この事実は、若い人たちをはじめ、もっと多くの人々に知ってもらいたいと思います。そういった危機感を持つことが、本当の意味でのエコや省エネ活動に結びつくのではないでしょうか。
正直「ZEH=ゼッチ」という言葉は、スマートマスターの勉強をするまで知らなかったです。でもその考え方については賛成で、今後もっと進めて行くべきことだと思っています。ご存知のように私は家電には詳しかったのですが、どんなに良いエアコンや給湯器を使っても、器である家自体の性能が良くないと、家電たちのせっかくの機能が発揮できないということを知りました。なので、まずはどのような器を用意するかが大事だと思いますね。
私自身は一軒家で育ったので、子供の頃から家は身近な存在でした。またさっきも言いましたように、いずれ家を建てることを目標にしていますので、住宅についてもかなり勉強しました。それで分かったことは、断熱材や壁材、部屋の間取りや開口部の取り方などで、建物の性能はかなり変わるということです。いきなりZEHを目指すというのも良いのですが、まずは家を形づくる要素である、素材や構造についてしっかりと考えることで、暮らす人が快適で、それでいてムダのない高効率な住まいが実現できるのではないでしょうか。
その結果としてZEHに認定されれば、それはそれで良いことですよね。
家電に限らずですが、日本のメーカーの製品に対して持っている不満は「デザイン」です。技術や性能面では海外の製品に引けを取らないものが多いのに、デザインは正直どうかと思うものが多いんですよ。これはプロダクトのデザインだけじゃなく、アプリのデザインについても感じることです。IoTを活用したスマートライフでは、スマホのアプリで外出先からお風呂をためたり、エアコンの操作ができるようにもなってきていますが、そのアプリのデザインもイマイチだな〜と感じることが多いんです。メーカーさんへは、機能だけではなく見た目も大事だよと伝えたいですね。それに使用するアプリのデザインや使い勝手にも気を配って欲しいと思います。このことは決して私だけが感じていることではなくて、最近周りの人たちからも同じような話を聞くことが多いんです。でもそれをうまく言葉にして表現することができないので、みんな「こんなもんか…」と諦めている。だからそれがメーカーサイドに伝わらないので、いつまでたっても改善されない。まさに悪循環です。幸い私は、そういったもやもやとした不満を言葉にできるための知識を持つことができましたので、自分の使命として、ユーザーの不満な気持を的確な言葉にして、メーカーに伝える役割を担えればいいなとも思っています。
私のモットーは「探究心を忘れない」ということ。
家電製品総合アドバイザーとして、スマートマスターとして、そしてもちろんタレントとして。常に飽くなき探究心を持って、家電やスマートライフに限らず、これからもさまざまなジャンルに挑戦していきたいと思っています。
家電製品アドバイザーGOLDクラス、元SDN48。趣味は日舞、茶道、餃子、TOKYOFM【スカイロケットカンパニー】、【開運!なんでも鑑定団】レギュラー出演中。雑誌DIME・日経トレンディネット等連載中。家電製品協会イメージキャラクター。得意とする家電アドバイザーとしての知識と、住まいのプロフェッショナルであるスマートマスターの資格を活かしながら、「快適な暮らしとは何か」を探求中。