高齢者に「使いやすさと安心」を提供するガスコンロ
本製品は官民一体で開発に取り組み、「当事者参画型開発」の先行事例としても注目される。誕生の経緯、そして込められた思いを探る。
福岡市主催のプロジェクトに参画し、
ケアセンターで働く方や、
認知症当事者の方の声を取り入れた
「安全に料理を楽しめる」
コンロの開発をスタート。
製品開発までのプロセスや想いを、
リンナイと西部ガスの
開発チームから聞きました。
本製品は官民一体で開発に取り組み、「当事者参画型開発」の先行事例としても注目される。誕生の経緯、そして込められた思いを探る。
モニタリングを実施し、
認知症の方の目線や調理するときの動作を
チーム協業で徹底的に研究。
安全性だけでなく、使いやすさを追究した、
ユーザーに寄り添うガスコンロ。
それが「SAFULL+(セイフルプラス)」です。
ごとくとバーナーを黒色に統一し、コンロの炎を見えやすくしました。左コンロは緑色、右コンロはオレンジ色に。コンロの点火スイッチも左右それぞれに合わせた配色にすることで、迷うことなく操作ができます。
点火スイッチにLEDライトを搭載。屈んで炎を覗かなくても、スイッチで点火が確認できます。エラーが発生した時は、ライトが点滅してお知らせします。
色や陰影が認識しづらい、視野が狭いなど、認知症の方の視界をARで再現。安全性を考慮し、料理をするのに必要な操作部分が認識されやすいよう、モニタリングを繰り返しました。
一般的なガスコンロのごとくは、すっきりしたデザインですが、セイフルプラスは天板を広く覆う大型のごとくです。
四角い枠のようにすることで、鍋を置く位置の目安となり、バーナーの中央に鍋が置きやすくなりました。
高温になる部分がごとくで覆われることで、間違って触ってしまうリスクを減らし、見た目からも安心感が得られます。
音声ガイドを搭載しているガスコンロで使用している音声内容を、モニタリング結果から見直し。使用する言葉をよりわかりやすくしてゆっくりとしたスピードで話したり、間を持たせたりすることで、誰もが聞き取りやすい優しい音声が、毎日の調理をサポートします。
従来の声 | セイフルプラス | |
---|---|---|
点火した時 |
右_コンロ__ |
右_コンロ__ |
消火した時 |
右_コンロ__ |
右_コンロ__ |
鍋がないまま 点火した時 |
右_コンロ__ |
右_コンロ__ |
同じ音声案内の内容でも、ボリュームや音程、スピードによって、認知症の方にとっては認識できることが大きく変わります。聞き慣れていない言葉や単語を理解し、行動につなげるということが難しい認知症の方にとって、わかりやすい表現を検証しながら開発をしました。
セイフルプラスをお使いのユーザーさま、
またセイフルプラスを導入されている
デイサービスさまに
購入のきっかけや日常の使い勝手など、
実際の感想をお聞きしました。
福岡市にある『デイサービス桜』もそのひとつ。ここではいま、利用者が積極的に料理に参加できるための、ある取り組みがなされていました。
大園さんは今も世界を飛び回って活動を続けるアクティブな女性。古くなったガスコンロの買い換えで選んだのは、セイフルプラスでした。
コンロを使ってハッとしたり、
ヒヤッとする...安心して調理を楽しめる
ガスコンロを目指し、
シニア世代ならではの不安を
解消できるよう様々な工夫を詰めこみました。
火にかけた鍋をうっかり消し忘れても、約2時間で自動消火します。※30分~90分の間で10分刻みで設定時間変更可能。
15分おきに、「コンロ__○分間_使用中です」と音声で使用時間をお知らせします。
鍋を置いていないときは、点火しても火はつかず、調理中に鍋を持ち上げると弱火になります。1分間、鍋が載っていないと自動で消火します。
震度4以上の揺れを感知すると自動で消火。地震の二次災害として発生することが多い火災予防にも。
炒めものなどの場合、鍋底の温度が高くなりすぎると自動で弱火に調節。温度が下がると元の火力に自動調節します。
火を消し忘れても約15分で自動消火。グリル温度が異常に上がった場合も、安全のため自動消火します。
鍋の焦げつきを初期段階で検知し自動消火。とろ火の煮込み料理などで鍋が焦げ始めると自動消火します。
鍋底温度を感知し、約250℃になると自動消火。危険温度になる前に消火し、油の発火を防ぎます。
現在お使いのコンロがガス仕様なら、愛着のある調理器具がこれまで通り使用できます。電気式コンロ(IH)に取り替える場合は、使用できる鍋の材質、形状に制限があり、これまで使っていた調理器具が使用できない可能性があります。
通常の60cm幅のビルトインガスコンロなら、セイフルプラスに簡単に取り替えできます。電気式コンロ(IH)に取り替える場合は、熱源がガスから電気に変わるため、工事費用が追加される場合があります。
長年ガスコンロを使ってきた方にとっては、火加減を直接目視できるため、調整しやすい特長があります。電気式コンロ(IH)の場合は火加減が目視できないため、高齢者や認知症の方にとっては慣れるのが難しい場合もあります。
ガスコンロは接触センサーを採用、鍋底の温度を直接測るため、少量の油で調理した場合や、鍋底が変形している場合でも、温度センサーが働きやすい特長があります。
右コンロで沸騰後に自動で保温、消火が可能です。
お好みの設定時間で自動消火。「ゆですぎ」「煮すぎ」や「コンロの消し忘れ」を防ぎます。
コンロの点火/消火に合わせて、レンジフードが自動で運転/停止します。消し忘れ防止に役立ちます。
フラットなトッププレートだから、ごとくを外してサッとふき取るだけできれいになります。
焼き網の代わりにココットプレートでグリル料理。グリル庫内をほとんど汚さず調理でき、お手入れも簡単です。 トーストや焼き魚、ノンフライ調理、天ぷらのあたため直しなど、直火で美味しく焼き上げます。
標準幅60cmタイプ
RHS21W40P38YGWW(52-6848)
希望小売価格(税込)¥231,000
(税抜価格¥210,000)
コンロとグリルをはっきりと色分けし、操作間違いを防ぐわかりやすいデザインです。
料理を手軽に楽しむために開発された便利な調理器具「ココットプレート」が付属。オーブン料理に最適です。
認知症の方の見え方は様々です。色がなくなったり、立体感や距離感がなくなる方もいれば、視野が狭く視界際が湾曲して見える方もいます。また、陰影が視認の障害やノイズになることもあります。コンロを使う上での安全性も考慮し、料理をするときに最も使用する点火スイッチが認識しやすいよう、4回のモニタリングを経て辿り着きました。調理を楽しく、不安なく使っていただくためのデザインを、試行錯誤しながらチーム一丸となって開発しました。