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Rinnai Hybrid Water Heater「ECO ONE」

燃料高騰の今だから
「ECO ONE」を

業界No.1*の省エネ性能を誇るハイブリッド給湯器。
その性能の秘密を探る

聞き手
山根 小雪 氏
日経BP 総合研究所
主任研究員

リンナイ株式会社 
開発本部
林 泰平
第三商品開発部長

※所属・役職等はすべて
日経ビジネス掲載(2023年11月)当時のものです

*ECO ONE 160Lタイプの場合。国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) Ver.3.3.1」(6地域)による算出(2023年8月現在)

2050年の脱炭素化に向けた省エネで重要視されているのが、家庭でのエネルギー消費量の4割を占める給湯の分野だ。中でもガスと電気の両方でお湯を沸かす、リンナイのハイブリッド給湯器の「ECO ONE」は、新築住宅の給湯設備として多くのハウスメーカーが積極的に採用している。また国や自治体からの助成金も充実したことでリフォームでの需要にも期待が高まっている。ECO ONEを採用するメリットは何か。同社の林泰平・開発本部第三商品開発部長に、日経エネルギーNextの編集に携わる山根小雪が聞いた。
(聞き手=山根 小雪・日経BP 総合研究所 主任研究員)

山根電気料金やガス料金は上昇が続いているうえ、安価な料金プランは廃止が相次いでいます。現在は政府による電力・ガス・ガソリン補助金があるため、料金上昇が抑えられていますが、補助金は遠からず終わりを迎えるでしょう。エネルギー価格が高騰する現在、家計を圧迫しないエネルギーマネジメントが求められています。

実は家庭におけるエネルギー消費量が最も多いのがお風呂や台所などで使う「給湯」の分野です(表参照)。このボリュームゾーンのエネルギー消費量を大きく抑えられる高効率給湯器として、産業界や国からもECO ONEが注目されていますが、数ある高効率給湯器の中でなぜECO ONEなのか。ほかの高効率給湯器との違いや優位性を教えてください。

高効率給湯器にはいくつか種類があります。

1つは、一般的にエコジョーズと呼ばれている「潜熱回収式」のガス給湯器。ガスでお湯を沸かす際に出る高温の排気熱も回収して再利用し、高い給湯効率を実現したものです。

そしてもう1つが電気でお湯を沸かす「ヒートポンプ式」。仕組みとしてはエアコンと同じで、空気熱を集めてその熱を利用してお湯を温めるというものです。エコキュートと呼ばれる製品がこれにあたり、空気中に元からある熱を利用するため少ないエネルギーでお湯を沸かせるのが特徴です。

家庭におけるエネルギー消費量割合と高効率給湯器の1次エネルギー消費量の比較

省エネ基準一次エネルギー消費量割合*
給湯一次エネルギー消費量

*国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) Ver. 3.3.1」(6地域)による算出 2023年9月時点

業界No.1の給湯効率

ECO ONEはその両方の利点を組み合わせた「ハイブリッド式」です。普段は効率の良いヒートポンプでお湯を沸き上げ、例外的にお湯が不足した場合などに潜熱回収式ガス給湯器で瞬間的にお湯を沸かす、という仕組みです。

山根なぜハイブリッドだと給湯効率が高いのでしょうか?

「必要な時に必要な分だけお湯を作り、お湯が新鮮なうちに使い切ってもらう」というECO ONEの基本的な設計思想が大きく影響しています。

一般的な家庭では、お風呂やキッチンで使うお湯の温度を40度から42度に設定しています。ECO ONEでは45度という普段使いよりわずかに高い温度で、お湯を使う直前に沸かして貯めています。実はここが大きなポイントで、ヒートポンプの低温沸き上げにより効率を最大限に高めています。さらに内蔵されたマイクロチップがその家庭のお湯の使用パターンを学習し、お湯を使う直前にちょうど使い切れるくらいの量を沸き上げる、という効果的な貯湯運転によりタンクサイズが小さくなるようにも設計されています。

それでもお湯が不足した場合や、高温のお湯が必要になった場合にのみガスで沸かすのですが、例えば160Lタイプの場合、ガスで沸かすお湯の量は全体の10%にも満たないほどになっています。

リンナイの高効率給湯器

エコジョーズ

お湯を沸かす際に出る高温の排気熱を再利用しながら
高い給湯効率を実現するエコジョーズ

ECO ONE

ガスのエコジョーズと電気のヒートポンプが
ひとつになったハイブリッド給湯器

対してエコキュートは、夜間におよそ90度という高い温度のお湯を大量に沸かして貯め、それを1日かけて使う仕組みです。ただしヒートポンプは、外気温と沸き上げるお湯の温度との差が大きいほどエネルギー効率が落ちてしまうので、ECO ONEほど効率的にお湯を沸かせません。

さらにエコキュートはガスによる瞬間湯沸かしができないため、常に「お湯切れ」のリスクを抱えます。そのため実際に利用する量以上のお湯を十分に沸き上げておく必要があります。

また深夜に沸かしたお湯は実際に使うまでにタイムラグがあり、その間に少しずつ熱が逃げてしまうので、そこでもエネルギーロスが発生します。比較するとECO ONEは、ガスがあるからこそヒートポンプの効率性を最大限に高められることを分かっていただけると思います。タンクサイズも小さくできるので、様々な住宅にも対応出来る設計です。

山根エネルギー価格が高騰する中、この効率性はランニングコストにどう影響を与えているのでしょうか?

価格高騰の影響を特に受けているのが電力会社の深夜料金割引です。割引率が低くなったことで「深夜の安価な電気を使ってお湯を沸き上げて貯めておく」というエコキュートの利点が薄れてしまったのです。結果的に、元々エネルギー効率の高いECO ONEのランニングコスト面での優位性が出てきています。

2023年9月の電力・ガス料金単価をもとに、東京と大阪の2大都市、またエネルギーコストの高い仙台での年間光熱費は、給湯熱源がエコキュートの場合と比較してECO ONEだと1万円から約1万8000円も低い、と言う試算になります(表)。今後もエネルギー価格の上昇が続き、深夜割引の幅はさらに縮小する可能性もあります。料金制度に依存した機器を購入することが果たして良いのか、ということは考える必要があるでしょう。

また2023年度からは、導入に当たって国から5万円の補助金が支給され、初期コストの面でも購入者の負担が軽くなり、トータルで見たときのECO ONEのお得感はますます高まっています。

高効率給湯器を導入した場合の
電気・ガスの年間光熱費比較
(家全体の光熱費試算)

代表都市
電力会社/ガス会社
東京
東京電力/東京ガス
大阪
関西電力/大阪ガス
仙台
東北電力/仙台市ガス局
オール電化
給湯熱源:エコキュート(JIS3.3)の場合
21万4087円 18万317円 23万3679円
電気・ガス併用住宅
給湯熱源:ECO ONE(160L)の場合
20万8円 17万227円 21万5732円
ECO ONEとエコキュートの価格差
(円/年)
1万4079円 1万90円 1万7947円

国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」の基礎データをもとに、電力・ガス会社が公表する料金プランに当てはめて試算。東京・大阪は6地域、仙台は5地域。電気・ガス価格激変緩和対策(7円/kWh・30円/m3)値引きを考慮しない。同プログラムの暖房・冷房・換気・給湯・照明・その他の設備(うち調理については独自にガスコンロ・IHコンロを試算)をもとにした消費電力量・ガス消費量を試算 2023年9月時点

山根いま世界で最も安い電力は、太陽光発電によるものです。脱炭素やエネルギー自給率の向上という目標とあいまって、世界中で大量導入が進んでいます。日本でも新築住宅に太陽光発電の設置を義務化する自治体も出てきました。晴れた昼の間に発電した電力をプールして別の時間帯に使うなど需給バランスを調整する役割として、電力をお湯にして貯められるECO ONEは蓄電池よりも身近なエネルギーインフラとしても期待されています。

家庭の太陽光発電の導入は、発電した電力を電力会社が買い取る「FIT(Feed-in Tariff)」と呼ばれる固定価格買い取り制度が後押ししてきました。2009年に開始した当初は1kWhの電力買い取り価格が48円でしたが、現在はそれが16円になっています。

エコキュートは、深夜の安価な電気でお湯を沸かして、一方で太陽光発電で作った電力を高い値段で売り利益を得ることを想定して開発・販売されてきました。しかし、現在の東京電力の深夜電気料金は28円ですから、逆にこの仕組みでは損をしてしまう。現在は昼に太陽光で作った電気を自分で使う、自家消費が一番得なのです。しかしエコキュートは、モデルによっては昼の電気を上手に使う設定がない場合もあり、有効に自家消費できないケースもあります。

高い給湯効率ながらもタンクを小型化した「ECO ONE X5」シリーズの充実を図る。100V電源に対応し、設置性などを高めることで、マンションや狭小住宅にも対応

ECO ONEは元々ユーザーの利用時間に合わせてお湯を沸き上げる設定になっていますが、設定を切り替えるだけで太陽光の電気を有効に使うことができる「PV活用モード」が備わっており、ランニングコストをさらに削減することが可能です。

PV活用モード

通常運転

お湯の
使い始め

お湯を
使い切り

毎日の使用状況を学習して最適なタイミングと量で沸き上げます。

自家消費
運転

お湯の
使い始め

お湯を
使い切り

昼間の余剰電力を使って通常よりも高い温度で沸き上げます。
沸き上げ前倒し!

年間給湯ランニングコスト比較

  • 10万円
  • 5万円
  • エコジョーズ
  • エコワン160L
    通常モード
  • エコワン160L
    PV活用モード
  • 100,980

  • 44,600

  • 33,600

    6.7万お得
昼間の余剰電力で
ムダなく自家消費
国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver.3.3.1」(6地域)による算出(2022年11月現在)。年間給湯+おいだき負荷18.3GJ LPガス料金:450円/m3、電気料金目安単価:27円/kWh 6地域A4区分、4kW結晶シリコン系屋根置き型、南向き東西15度未満の勾配30度、積載時の日射量、発電量は建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報

また、災害時などのレジリエンスの高さもECO ONEの大きな特徴です。停電してもガスが通っていればお湯は沸かせますし、太陽光と蓄電池を組み合わせていれば、ガス・電気が通っていなくてもお湯を沸かせる。さらにECO ONEのタンクは常にお湯または水が満水の状態で入っているので、いざという時の生活用水にも活用できる、ライフライン確保の意味でも重要な商品だと考えています。

電気が停止した場合

電気・ガスが停止した場合

断水した場合

タンクのお湯(水)を生活用水として利用することが可能です。
トイレで流す水は、1回あたり4〜10L程度必要とされており、
エコワンであれば最大160Lのタンクがあるので、非常用にお使いいただけます。

山根給湯にかかる省エネ性を最大限に追求した設計、そして、太陽光をお湯として蓄えてエネルギーを賢く利用するインフラとしての機能も期待できるECO ONE。エネルギーにまつわる環境が激変する今こそ、その価値を発揮できる商品だということが理解できました。本日はありがとうございました。

省エネNo.1 の大容量160L タイプを紹介する林氏