図面確定から
変更〜完成まで
当初、栄さんが提案していたのは、3階建ての 2階部分にリビング・ ダイニングと水廻りを設けるプランで、3 階にはご夫婦の寝室や子ども部屋というプライベートスペースを設ける計画でした。
これはボーグさんご一家との度重なる折衝の末に決まった設計プランでしたが、折からのコロナ禍や世界情勢の変化により、建築資材や人件費が高騰。結果、当初想定していた予算では足りないことが判明しました。
そこでプランの変更は余儀なくされましたが、想定外の事態に直面した栄さんは考えます。「予算に応じてあれこれと細かく変更するより、ここは潔く一旦決まったプランを白紙に戻し、一から設計し直した方が良いのではないか…」と。
そんな栄さんの思いきった提案にボーグさんご夫婦も賛同。かくしてボーグ邸の設計プランは、ふりだしに戻ることになりました。
予算オーバーというやむ得ない事情で、一から設計プランを練り直すことになったボーグ邸。予算削減のためには、抜本的な変更が必要でした。以前のプランを再度見直し、「もしかしたら“大きさ”がネックだったのでは?」と考えた栄さんは、家全体の延床面積を縮小することを検討します。
「そもそも複雑な設計だったので、もう少しシンプルにできないかと考え直しました」という栄さん。以前のプランでは屋内の面積を取ることに注力しすぎて、少し無理をした構造になっていたといいます。そこで導き出した答えは、これから建てる新居は、ボーグさんと奥さま、そしてお子さまの【家族3人の家】と割り切って考えることでした。
「ボーグさんたちはお客さまを呼ぶことがお好きなので、玄関や廊下の幅を普通の家よりも広く取っていました。またお客さまが泊まれるように、ゲストルームも一部屋用意していたのですが、そういったパブリックスペースをプライベートに割り当てることで、延床面積が狭くなっても、広々と暮らせる家を実現することができたのです」という栄さん。延床面積を減らすことで、随所に“遊び”を入れることもできて、結果より良いプランになったのではないかと考えています。
どうせやり直すなら妥協案ではなく、アップデートさせたいと考えた栄さんがまず手を付けたのは2階の水廻り。ここにはかなりの面積を取っていたので、1階に移して廊下部分に併合することで全体の面積を縮小させました。
そして玄関の広さはそのまま、突き当たりの廊下部分をランドリースペースにするという思いきったプランを描きます。「おかげでランドリースペースを通路の一部に取り込むという、これまでに試みたことのないチャレンジングな設計ができました」と笑う栄さん。
いわゆる洗濯室というイメージからかけ離れたランドリースペースは、まさにアップデートを感じる設計。そのアイデアを聞いた奥さまも「より栄さんのカラーが出たような気がします!」と大満足。また来客用のゲストルームも兼ねたスタディールームを設けていたスペースを、ご夫婦の主寝室に変更。1階をプライベートな空間にしました。
水廻りを1階に移したことで、2階にかなりのスペースを割けることになったボーグ邸。栄さんはこのフロアを、パブリックスペースも兼ねた家族団らんの場所としてRe.デザインすることにしました。最初のプランでは、3階に主寝室と子ども部屋を設けていたのですが、主寝室を1階に移すと共に、子ども部屋も2階に移行し、主寝室の真上の位置に持ってきました。
「それで3階のスペースが空いたので、リビングを吹き抜けにしたんです」という栄さん。その結果2階は、縦にも横にも広い、とても開放的な空間になりました。これには天井の高いリビングが理想だったボーグさんも大喜び。「お部屋の数は減ったけれど、全体的に開放感が出てかえって良かったです」と、奥さまも納得のプランになりました。
「今回の改変でもうひとつ良くなったのは、ダイニング・キッチンにも開放感が出たことです」という栄さん。またアウトドアリビングのように、室内と一体感のある木製のテラスには、ボーグさんご希望のピザ窯を置けるスペースも。隣近所からの視線を巧みに隠したこのテラスでは、バーベキューなども楽しめます。「家族でも、“リビングにいると空しか見えないね”といっています」という奥さま。
ボーグ邸の2階は、ご家族の団らんはもちろん、お客さまを招いてのパーティースペースとしても活用されることになります。
今回のプラン変更で、ランドリースペースは1階になりました。当初のプランでは、2階のバスルームの横に“ランドリールーム”として独立した居室を設ける予定でしたが、1階の廊下部分に取り込んだことで、“部屋=ルーム”ではなく“空間=スペース”になりました。
玄関を入った突き当たりには、大型のキャビネットを設置しました。これは、奥さまが海外暮らしの際に手に入れた年代物のキャビネットで、引っ越しの際には必ず持って行くという大のお気に入り家具。
現在の住まいでは食器入れとしてダイニングで活用されていますが、新居に移すのを機に、洗濯物などを入れるランドリー収納として活用する予定です。そして、その隣に設置するのが、洗濯機と新型の『乾太くん』です。
今回栄さんが提案したのは、洗濯機の上部をカウンターにして、作業スペースとしての活用するプラン。それを実現させたのが、新しく登場した『乾太くん』デラックスタイプでした。これまでの『乾太くん』は、洗濯機の上部に設置されることが多かったのですが、『乾太くん』デラックスタイプは操作ボタンを上部に変更することができるので、洗濯機と並んでの横置きが可能になりました。
そこで洗濯機と『乾太くん』を並べてアンダーカウンターに設置し、その上を作業スペースにすることができました。ここには廊下部分との境に格子の建具を設けており、洗濯機と『乾太くん』が見えない状態になっていますが、いざ洗濯をするときに大きな建具を動かすことで、そこにランドリースペースが現れることになります。
また、キャビネットを置くスペースの上部は開口部になっていますが、ルーバータイプの引き戸を設置することで、キャビネットを置いても、暗くなりがちな廊下に外光を採り入れることもできます。
こうして完成したボーグ邸の新プラン。当初のプランより少し狭くなりましたが、家族3人で暮らすには十分な広さであると、ボーグさんご家族も納得です。
「部屋数は減りましたが、一つ一つの空間自体は大きくなりましたし、新しいプランになって開放感が出てかえって良かったです」というボーグさん。奥さまも、「開放感もそうですが、デザインの方も新しいプランの方がお気に入りです。私たちが気に入ってお願いした“栄カラー”が前面に出て、とても良かったと思います」とのこと。
「設計のプロとして、どのような事情があっても妥協だけはしたくなかったので、随分頭をひねりました。ボーグさんご一家や、施工業者さんたちとも相談しながら、さまざまな条件をクリアして、結果的にうまく昇華することができたと思います」と、栄さんも新プランの出来映えに胸を張りました。
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