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建築のプロに知ってほしいリンナイ製品の“驚きと感動” <後篇>

工務店座談会

工務店に聞く設備機器の選び方。
「家事負担軽減」「時短」がキーワードに

Builder's opinion

工務店座談会

高性能住宅に長年取り組みながら、住まい手のニーズを先読みして
省エネかつ生活を快適にしてくれる設備機器を積極的に導入して支持を得ている工務店2社から、
代表の近代ホームの松本さん、三光工務店の三尾さんに話を聞きました。

  • 聞き手
    三浦 祐成
    新建新聞社代表取締役
    新建ハウジング発行人
  • 近代ホーム(神奈川県横浜市)
    松本 典朗さん
    代表取締役社長
    「百年健康住宅」をテーマに、人も建物も100年健康に過ごせる家づくりを目指して、30年以上前から高断熱・高気密・計画換気に取り組んできた
  • 三光工務店(岐阜県郡上市)
    三尾 尚子さん
    代表取締役社長
    7年前にブランディングし、「木と住む家づくり」をテーマに性能と意匠にこだわった住まいを提供。LIXILメンバーズコンテスト2019新築部門大賞受賞

※所属・役職等はすべて2024年1月当時のものです

間取り検討が楽に
施工のしやすさも決め手の「エコワン」

近代ホーム(神奈川県横浜市)代表取締役社長 松本 典朗さん

三浦長年高断熱・高気密のトップを走ってきた近代ホームさんが選ぶ給湯器に興味があります。

松本原発が稼働していた10年ほど前はエコキュートでしたが、時代の変化とともにエコジョーズが標準に、それを1年前にエコワンに切り替えました。“機械もの”って何年もつか未知数の部分があってあまり注力していなかったのですが、毎日使う給湯器は別格。ある意味、太陽光発電と同じぐらい重要なんじゃないかなと思っています。

三浦きっかけは?

松本2022年の省エネ基準の見直しです。これまで当社では、吹き抜けで1・2階をつなぎ、間仕切りの少ない開放的なプランを強みに認定長期優良住宅を標準にしてきたのですが、こうした間取りは省エネ計算上かなり不利になることがわかりました。基準をクリアできなければ長期優良住宅の認定が取れず、補助金がもらえず、お客様にご迷惑をおかけしてしまう。悩んでいた時にエコワンを紹介されました。

省エネ基準一次エネルギー消費量割合※その他設備を除く
給湯一次エネルギー消費量(1年間)

国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」(6地区)による算出。当社調べ。

三浦一次エネルギー消費量の大部分を占める給湯器をより省エネなものに変えることで間取りの制約を解消できたわけですね。

タンク容量70Lのコンパクトサイズで土間コンクリート不要。設置の手間やコスト面でおすすめの「ECO ONE X5」。

松本間取りはかなり楽になりました。もうひとつ、省エネ計算上不利になる要素がありました。それは「1階全室温水床暖房」です。ただ、私たちが一番提供したいのは省エネ住宅というよりは「健康住宅」であり、体を足元から温める床暖房は不可欠なアイテム。だから給湯と同時に温水床暖房が使えるのも決め手になりました。また、タンク容量70LのエコワンX5だと土間コンクリートを打たなくていいので、設置の手間・コスト面でも助かっていますね。

三浦他の給湯器に比べるとイニシャルコストがかかりますが、お客様にはどんな説明を?

松本確かにエコジョーズと比べると高額ですから、「月々のランニングコストがお得です」といくら説明しても光熱費が上がっているいまこの金額を100%納得していただくのは難しいと考え、最初から「ハイブリッド給湯器が標準です」と言い切っています。現時点でお客様は給湯器にそこまで強い関心はなく、長年健康・省エネに取り組んできた当社が選ぶものなら安心だと感じているようです。私としては数年後に「エコワンでよかった」と思っていただけると良いです。

年間給湯ランニングコストの比較

国立研究開発法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)による「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」で公開されている平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版V)er.3.3.1」(6地域)に基づき試算(2022年11月現在)。年間給湯+おいだき負荷18.3GJ。LPガス料金:通期450円/㎥、電気料金目安単価:27円/kWh ○エコジョーズ、従来型ガス給湯器:給湯暖房タイプ

“速く乾く”が大きな価値
インスタ層に超定番の 「乾太くん」

三光工務店(岐阜県郡上市)代表取締役社長 三尾 尚子さん

三浦三光工務店の三尾さんにも話をうかがいます。集客はインスタグラムが中心だとか?

三尾100%インスタグラムが入口で、私の自宅を見ていただいてクロージングするのが当社の営業の流れです。わが家には先ほどのエコワンをはじめ、乾太くん、デリシア、マイクロバブルバスユニットを入れており、日々の使い方や感想を織り交ぜながらご案内するのでお客様も自然と同じ機器を選ぶ傾向にあります。

三浦ニーズが一番多いのはどの機器ですか?

三尾乾太くんがダントツで、ほぼ100%のお宅に入れています。最近のお客様は外干しをしない傾向があります。

三浦乾太くんの何が受けていると思いますか?

三尾家事負担が減って、イニシャルコストもランニングコストもそこまでかからない―これに尽きると思います。私の場合、朝洗濯をして乾太くんに入れておけばタオルなら30分ぐらいで乾いてしまうので、畳んでしまってから出勤できます。自ら使ってみて“生活に欠かせない道具”だと実感しています。

乾燥時間比較(洗濯物=6kgの場合)

■ガス衣類乾燥機(乾太くん):リンナイ、電気ヒートポンプ式乾燥、電気ヒーター式乾燥 試験実施:リンナイ(株)
■条件:実用衣類9kg(綿50%、化繊50%)/脱水度70% RDT-93・標準コースで算出。 ガス種:LPGの場合で約90分
    実用衣類6kg(綿50%、化繊50%)/脱水度70% RDT-63・標準コースで算出。 ガス種:LPGの場合で約60分
    実用衣類5kg(綿50%、化繊50%)/脱水度70% RDT-54S-SV・標準コースで算出。 ガス種:LPGの場合で約52分

三浦圧倒的な時短になるんですね。

三尾特に子どもが小さいと本当に便利です。上靴を洗い忘れた、体操服が乾いていないとかって“あるある”だと思うのですが、前夜に気付いても洗って乾太くんに入れておけば解決します。コインランドリーに走らなくていいのはとても楽です。

松本当社は第三種換気を採用しているので、外気の侵入や湿気戻りの懸念があってあまり積極的に乾太くんを採用してこなかったのですが、それを解消する「ダンパー付き排湿口ガイド」が登場した2年ほど前から設置するようになりました。お客様の反応はやっぱりいいですし、私自身、横浜ショールームの実演で乾燥時間の短さ、タオルのふっくら感、光熱費の安さを体感して、いまでは強くおすすめしています。

三尾当社のお客様はインスタグラムで事前に情報を得ているので、「ダンパー付き排湿口ガイド」は最初から指定されますし、デラックスにするかスタンダードにするかも吟味してから来られます。背が高くない女性にとって、糸くずフィルターが手前にあるか奥にあるかは生活の質を左右する大きな問題ですから。デザインも洗練され、より選ばれやすくなっています。

三浦もう指名買いですね。そこにさらに三尾さんの提案を付け足すというわけですね。

三尾はい、私自身の物干しスタイルが乾太くんと浴室暖房乾燥機の併用なので、ほとんどのお客様がそれを採用します。それから、太陽光発電を設置するお宅には昼間の発電で浴室暖房乾燥機を稼動して乾かしましょうと提案しています。

デラックス
  • 9kg
    H67.1×W65.3×D67.4cm
    ドアは設置現場に応じて左右変更可

  • 6kg
    H67.1×W65.3×D59.4cm
    ドアは設置現場に応じて左右変更可

スタンダード
  • 8kg
    H68.4×W65.0×D64.1cm
    ドアは設置現場に応じて左右変更可

  • 5kg
    H68.4×W65.0×D56.1cm
    ドアは設置現場に応じて左右変更可

  • 3kg
    H60.9×W55.0×D50.6cm
    ドアは設置現場に応じて左右変更可

体感すると魅力がわかる
「マイクロバブルバスユニット」

三浦マイクロバブルバスユニットも自宅で採用されているんですね。

三尾築2年目に後付けしました。お湯が柔らかく、しっとり感が続いてとにかく快適です。肌や頭皮の毛穴汚れも取れるらしく、浴槽に潜るのが毎晩のルーティンになっています(笑)。

松本体感って大事ですよね。ただ、私は少し割高に感じてしまいます(笑)。

三尾お客様も最初は入れたいとおっしゃるんですが、早い段階で候補から外れてしまうことも。この気持ちよさを知っている私からするとコストもそこまで高くはないと思います。

肌の角質水分量変化

<実験条件> 測定:マイクロバブル入浴とさら湯入浴の前後に前腕部の角質水分量を測定 論文:早坂信哉, 岩間優子, 野々山昌生: マイクロバブルバス入浴の角層水分量・保湿への影響, 日本健康開発雑誌, 2022, Vol. 43, p.39-43(被験者: 成人女性 15 名)

マイクロバブル入浴はさら湯入浴と比べて、湯上り30分後の肌の角質水分量が116%まで増加。肌のうるおいを持続させることを確認しました。マイクロバブル入浴を体感された方からは、湯ざわりが柔らかい、肌がしっとりする、肌が突っ張る感じが少ない、保湿クリームを塗らなくてもよかったなど、多くの声が挙がっています。

固形汚れの除去率

<実験条件> 2019年度リンナイ株式会社試験データ
模擬汚れ(牛脂とカーボンブラック10%の混合物)を腹部に塗布し、色彩色差計にて入浴前後に明度を測定。入浴前後の明度値から除去率を算出。 / 被験者:健康成人男性6名 / 入浴方法:38°cで10分間の全身浴 / *有意確率5%未満で統計的有意差あり。

微細な気泡が皮膚の汚れに吸着し取り除きます。また毛穴に溜まった皮脂汚れにも気泡が吸着し、かき出すことで肌を清潔に保ちます。実証試験でもマイクロバブル入浴の方が通常の入浴より汚れの除去率が高いという結果が出ています。

スタイリッシュさが決め手の
「デリシア」

三浦三光工務店さんはデリシアの採用率も高いそうですね。良さを教えてください。

三尾直感的な見た目のスタイリッシュさですね。ステンレスの「五徳」がすごく輝いて見えるし、ステンレスのキッチン天板との相性もいい。そして、従来は魚焼きがメインだったグリルでいろんな料理ができることを最初に発信したのがデリシアで、その発想にまず驚かされたし、実際にグリルの機能性は魅力的です。

三浦機能性はもちろん、スタイリッシュさがコンロを選ぶ決め手になり得ると。

三尾当社のお客様はインスタグラムが入口ですから、見た目、質感はかなり重視されます。ただ、キッチンはあれもこれもと盛りだくさんにするとすぐに予算をオーバーしてしまうので、既製キッチンの取手のみオリジナルのスタイリッシュなものに付け替えて、代わりに機器のグレードを上げる工夫をしています。

デリシアには、コンロ上でもグリルでも使える万能鍋ザ・ココットが付属。複数のザ・ココットを使ってコンロ上の調理とグリル調理の同時使用が可能。全口自動調理もできて、おいしいだけでなく時短にも。※ザ・ココットの付属は1個のみ。型式によって付属されていないラインアップもあります。

三浦面白い工夫です。工務店さんのアイデア次第で普及価格帯のキッチンを素敵にバージョンアップし、そこで抑えたコストをコンロや食洗機に回すことでお客様の満足・時短につなげるということですね。

三尾多機能なグリルがあればトースター要らずで、魚もピザもグラタンもハンバーグも美味しく焼けるし、夏野菜を専用容器に並べてタイマーをかければもうそれででき上がりなので手間が省けます。庫内が汚れないのもいいですね。

松本デリシアってレシピアプリとオート調理が特徴ですよね。こういうシステム化された調理方法って男性は好きですし、年齢性別問わず台所に立ついまの時代に合うコンロだと思います。

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幅45cm・大容量なのに“お買い得”
「フロントオープン食洗機」

三浦お話を聞いて「家事負担軽減」「時短」がすごく重要なキーワードだと感じたのですが、食洗機はその筆頭かもしれません。採用状況はいかがですか?

松本リンナイ製2機種を含む国産食洗機3種類から金額と容量で選んでいただくのが基本オプションで、フロントオープン食洗機はうちでも提案しています。容量が大きい割に“お買い得”なイメージがあります。

三尾当社の場合、食洗機は乾太くんと並ぶくらいお客様の熱量が凄まじくて、インスタグラムで調べたうえで海外製の大型食洗機を要望されます。1日分の食器類をまとめて洗いたいというニーズのようですが、幅60cmの大型サイズだと対応できるキッチンがほぼ上位機種に限られかなり高額になるので、何を優先するかお客様の悩みどころです。

約8人分56点※
※日本電機工業会
自主基準による
4人家族の場合、朝晩の
食器が一度に洗える!
食器+調理器具
フライパン・鍋・まな板
ざるなど一緒に洗える!

三浦僕も知らなかったのですが、リンナイのフロントオープン食洗機は普及価格帯キッチンに組み込める45cm幅の国内製のなかでは一番容量が大きく、先ほど松本さんがおっしゃったように海外製に比べお得感もある。キッチンにそこまで予算をかけられない人の受け皿的な役割を担う“ちょうどいいポジション”の食洗機として提案する価値は高いと思いました。

今日はまとめ切れないほど有用なお話を聞くことができました。おふたりともありがとうございました。

《 座談会を終えて 》

新建新聞社 代表取締役
三浦 祐成

ここ数年の住宅業界のトレンドは「性能」でしたが、同時に住まい手は「家事負担軽減」「時短」を切実に求めていることを知りました。

「乾太くん」や「フロントオープン食洗機」のような家事負担軽減アイテム込みの暮らしやすい動線と間取りは必須で、加えて住まい手の気持ちが上がるデザイン性を設備機器と空間両面で提供できる工務店は強いと感じました。